千葉県富津市が誇る名所「鋸山」の通称「ラピュタの壁」へのライトアップ事業が、主にSNSで大量の批判にさらされ一時停止され詳細説明資料の発表とともに再開されるという事がありました。
鋸山や金谷の街に何度も足を運んでおり、夜景撮影を趣味としているため光害の問題にもアンテナをはっている筆者は、炎上当初から違和感を持っており冷静に現地の状況を確認すべきとの立場でいましたが、ようやく現地を訪れ確認することができたので撮影してきた写真ともにレポートを行いたいと思います。
Contents
経緯
2026年1月18日 鋸山ライトアップ開始・点灯式
2026年1月19日 富津市観光協会のSNS投稿に批判のコメントが大量発生
本日より鋸山ラピュタの壁ライトアップがスタートしました!
日没から21時頃まで毎日点灯します。サーチライトは時間によって照らし方が変化します。
青い光はラピュタ感を意識😁✌️
夜の鋸山も是非お楽しみください。 pic.twitter.com/ToSAQyZ1rZ— たび旅富津 (富津市観光協会 公式) (@tabitabi_22) January 18, 2026
2026年1月20日 この日のライトアップは行われなかったと見に行った方からの報告あり
2026年1月21日 富津市観光協会より、機器調整の為ライトアップを停止しているとの投稿
【お知らせ】
令和8年1月18日から鋸山ライトアップを開始し、毎日点灯を行う予定でしたが、現在、機器調整の為ライトアップを停止しております。早期の再開に向けて取り組んでまいりますので、楽しみにしていただいている皆様には申し訳ありませんが、何卒ご理解を頂けます様お願いいたします。
— たび旅富津 (富津市観光協会 公式) (@tabitabi_22) January 21, 2026
2026年1月23日 富津市観光協会より、ライトアップ再開のお知らせおよび事業の詳細説明資料の公開
市からの説明の概略
- 光害および生態系への配慮について
- 環境省が策定した「光害対策ガイドライン」に則っている
- 照射時間の限定: 日没後から21時まで。深夜帯の照射なし
- 夜空・周辺環境への配慮: 遮蔽物のない夜空へ直接照射なし。方向および角度を制御
- 光量および照射方法の抑制: 漏れ光の抑制。
- 野鳥等への影響確認: 事前の現地踏査や目視による確認、現地観光ガイドとの協議などによって行為地及び照射箇所に鳥獣の営巣地なし
- 今後も検証および見直しを行なっていく
現地写真
全て、2026年3月7日(土)撮影です。

俯瞰で撮影された写真がほとんどネット上で見られなかったため、浜金谷北港埠頭あたりから金谷の街を撮影した写真です。
右側の明るい光は東京湾フェリーの乗り場で、左上に青く浮かび上がっているのがラピュタの壁です。そこを繋ぐように青いサーチライトが見えますが、街灯や建物の灯りの方がよっぽど明るくてライトアップを知らなければ気づかない可能性すらあると思います。
ちなみに、この写真が一番肉眼で見た感じに近いと思いました。

フェリー乗り場裏の観光名所「幸せの鐘」あたりから、ライトの照射元であるザ・フィッシュからラピュタの壁が並んで見えるように撮影。
照射角度が急に見えなくもないが、撮影地→照射元→照射先がほぼ一直線上にあるからこう見えることは理解いただけると思います。
逆に言えば、光線がかなり指向性が高く、上空への光漏れはなさそうだと感じる。

ザ・フィッシュの駐車場から照射元を見る。
店舗は営業終了しているので、明かりがついているフェリー乗り場からは死角になるこのあたりはかなり暗い。
サーチライト自体は明るいが、周辺が明るくなっているわけではない。

照射元を別角度で。この方向の空は明るく見えるが北〜西側が明るいのは東京・神奈川の都市光害です。
撮影位置による照射角度の誤認問題
今回の炎上騒ぎにおいて、最も深刻な原因になったのはSNSに公開された写真が「サーチライトが上方照射」されているように見える写真ばかりだったことにあると筆者は考えています。ただし、金谷という街は海からいきなり鋸山の断崖があり非常にコンパクトであるため、どうしてもライトの近くから撮る写真となり見上げる構図となりやすいという状況もあります。
全て同じ一直線のサーチライトを撮影したものです。
ライトの真下から撮れば、照射元も照射先も「まるで真上に照射している」ように見えてしまうのです。
しかし、実際はほぼ真横に照射していることが分かると思います。
まとめ
ここまで書いた通り今回の炎上騒ぎについては、
・映え写真で発生する現地状況との乖離・誤解
・私的制裁・正義中毒による炎上加速
・市からの説明不足
が主な要因だったと感じています。
市の過失によるものは大きいと思いますが、批判の後に必要な回答を発表したこと、継続的な改善の意思を見せたことは評価できると考えています。
一方で、それでもなお自然への悪影響があるとの意見もあるようです。これらについては、市の発表通り適切に調査・調整されることを期待します。
SNSやニュースなどで鋸山のライトアップを知った人も、ぜひこの機会に現地を訪れて見ていただければと思います。









