ゴールデンウィークの最終日に、富津市豊岡の山奥にある松節地区を歩くイベントがあり、お誘いいただいたので参加してきました。管理人としてはこのエリアにある「亀ヶ淵」と呼ばれる滝の話を以前から聞いたことがあり撮影してみたいと思っていた場所でした。
「松節」というのは住所にもなっていない小さな地区の名称ですが、限界集落を超えた「ポツンと一軒家」に近い状態で、現在も居住しているのは数軒のようです。とはいえ、電線もフレッツ光も通っていてそこまで不便ではないそうで、豊かな自然が残るこの地区に興味を持ち、新たに住んだり二拠点居住の拠点にしたりする人が増えたらいいなとキッカケづくりのような企画だということで、こちらにお住まいの原さんご夫婦を中心にボランティアメンバーによって運営されていました。
すばらしい景色のお宅からスタート
ヤギが草を食べている広大なお庭。
最高すぎる景色です。
曇り予報だったのですが晴れ間も見えてハイキング日和になりました!
企画趣旨や注意事項などを聞いてから出発です。
そうそう、山歩きで注意が必要なのはブヨなどの虫さされ対策と、ヤマビル対策です。
環境に優しいものをと、虫よけにはミント液を肌の露出部に塗り、ヤマビル対策には20%濃度の塩水を靴にスプレーします。
もちろん、長袖長ズボン必須。日よけと上から降ってくるかもしれないヒル対策で広いツバのある帽子が好ましいです。
山歩きスタート!大師を目指す
さて、いよいよ山歩きスタートです。
ここからは、同行したサポートカメラマン白狐氏のお写真をお借りしてお伝えします。
地球用務員・鈴木張司さん(ちょうさん)のガイドを聞きながら「大師」と呼ばれる地域のお寺を目指して歩きはじめました。
人だかりができたところを見ると、トカゲを発見したようです。
背景に擬態するので土の上では茶色になっていますね。
※白狐氏提供写真ここまで
様々な植物が目に入って飽きませんね〜。
大師に到着しました。建物をみると寺というより公民館や集会所のような雰囲気も感じました。実際にかつては住民の方々が集まる場所になっていたのでしょう。
こういったお寺などの建物は南向きに建てられていると聞き、スマホの方位磁石で確認すると、多少ズレはあるものの建物の先が北であると指しました。
階段の横にあるのは「さるすべり」の木です。
説明を聞いているとバイクが通りました。このあたりは鴨川に抜ける林道になっているためバイクや自転車の人が通るようです。
ただし、この道の先は現在通り抜けできないようで後から引き返してきているのを見ました(汗)
一旦来た道を戻って、分かれ道の別方向に向かいます。
見晴らしのいい高台を目指す
今度は川に沿って奥へ歩いていきますが、途中塩ビパイプが散乱している場所がありました。
かつては生活用水を得るためにこのあたりの水溜りを濾過した水を引いていたそうで、先の台風でバラバラになってしまったようです。
斜面にある湧き水のあるところに、水溜りをつくり濾過してパイプで引いているところも見せていただきました。
もう少し歩くと源流にあたる場所がありました(写真わかりづらくスミマセン)
下流で湊川に合流する源流の一つですが、地区名になっている松節川というそうです。源流なのでここから湧き出した水が川となっているのですがこの上流には流れがありません(おそらく地下に水脈があるのでしょう)
しばらく歩くと眺めの良い開けた場所につきました。
曇っていてわかりにくいですが、手前は長狭街道、その先に鴨川市街と太平洋まで見渡せます。
視界の右側には千葉県最高峰の愛宕山もあります。
みなさん説明を聞きながら、しばし景色を楽しみました。
ちなみに、電線が見えていますが、電柱に書いてある住所が金束となっていたので、鴨川市に入っていたようですね。このまま進むと鴨川に抜けられるそうで、原さんはこの道を小学校まで通っていたそうです。
自然環境を再確認しながらスタート地点方面に戻ります
草ごしの写真を撮るためにちょっと路肩に足を踏み入れると・・・
すぐにヤマビルが靴にへばりついてきました。
気付いたのが早かったのか塩水が効いたのか、侵入阻止できましたのでむしろ鑑賞してやりました。
地すべりのあと。見てわかるように房総の土壌は硬い岩盤の上に薄く土砂が乗っている状態に木々が生えているため、大雨などで地すべりが起きやすいそうです。また台風などで倒木なども大量にあったのですが、災害の爪痕が今もありありと残っています。
最後に亀ヶ淵の滝を見学
最後に、持参した人は長靴に履き替えて沢に降りていきます。自分はトレッキングシューズのまま行きました。
細い坂道を降りていきます。ここもかつての生活道路で舗装されているのですが、苔が生えています。
前日まで大雨が降っていたので川の近くまで降りてくるとかなりぬかるんでいました。
沢に降りて滝の反対側を振り返ると、右側が降りてきた坂道。左側がかつて橋がかかっていた名残だそうです。この先にも民家があったのですが、台風で橋が流されてしまったそうです。今はもう住んでいないそうです。
この規模の橋を個人のために掛け直すというのも難しいでしょうし、こういったことがキッカケで人が離れることもあるんでしょうね・・・。
というわけで、いよいよ亀ヶ淵です!
落差も水幅も大きくない滝ですが、滝壺が比較的広く深いため子どもが水遊びで泳いだりもするそうです。
自分も子ども時代だったら上から飛び込んだりして遊んだだろうなぁ。
派手さは全くない滝ではありますが、周辺が岩に囲まれていて秘境感がかなりあります。
ここは時間をかけて撮影してみたいなと思いました。
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さて、このあと沢から上がり集合場所に戻って解散となりました。
時間はちょうどお昼になっていたので午前中3時間半ほどのイベントでしたが、お話を聞きながら周囲の自然に目を向けながらの山歩きだったのでそれほどキツいものではなく、どんな方でも体験できる内容だと思いました。特にガイドさんたちの自然の知識や、地域の歴史・生活に関する情報が素晴らしくあっという間に感じました。
今回キックオフイベントとのことで初回だったようですが、今後も同様の企画がされることを期待しております。
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