初寄稿します、富津っ子ゲストライター「魔女」です。
金谷美術館で開催されている企画展
日常の風景 ー世界的版画家 野田哲也の「日記シリーズ」ー
の、オープニングセレモニーに、先週末に出かけてきました。
セレモニーには、版画家の野田氏ご夫妻が来場され、制作風景を紹介したスライドを観ながらのトークショーと、立食形式の交流会との二部で構成されており、大勢の来館者で賑わっていました。
対談されているのはこの日 司会を務めた金谷美術館学芸員・山﨑曜 氏(写真左)
「日記」というテーマで制作を続ける、野田氏の版画作品は、
自身の日常の一瞬を、視覚的に切り取って、多色刷り木版と、写真と、シルクプリントという技法を癒合させて、ため息の出るような、長い時間を要する精緻な作業で、その世界観を表現しています。
「日記」というものは、私的、個人的な“記録”であるわけですが、野田氏の版画作品は、見る者の“記憶”の断片を掘り起こしてくれるような、止まっている時計が動き出すような、静かな感動と想像をもたらしてくれます。
私の個人的な感想ではありますが、「日記シリーズ」初期の作品群は、家族写真を題材にしたものが多く、私が生まれた頃の年代に制作されたものであることから、
親がどんな思いで自分を育ててくれていたか、また、私自身の子育ての思い出などとも交錯して、とても興味深く、親しみを持って楽しむことができました。
今企画展の会期は、春休みいっぱいです。
ひとまず、長い駄文より一見を、ぜひぜひお勧めします。
会期: | 2015年1月10日(土)~2015年4月5日(日) ※水曜日休館 ※2.11(水)は建国記念日(祝日)のため開館し、 翌日2.12(木)は休館です。ご注意ください。 |
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時間: | 10時~17時(最終入館は16時半まで) |
場所: | 金谷美術館 本館 |
住所: | 〒299-1861 富津市金谷2146-1 |
入館料: | 一般・大学生800円/中高校生・65歳以上500円 小学生200円/小学生未満無料 |
お問い合わせ: | 公益財団法人金谷美術館 0439-69-8111 |
金谷美術館では、地域に密着した美術館を目指し、
「美しいもの、大切なものを、皆で伝え遺し生かして行く美術館」として
美術館内のみに止まらず、地域ぐるみの街の環境整備活動、文化活動を、
多くのボランティアさんの力を借りて運営されていることをお聞きしました。
今回のレセプションも、会場設営や、ドリンクや軽食の提供など、
ほとんどの部分が、ボランティアでまかなわれているとのこと!!
富津っ子として、とても素晴らしく、素敵な取り組みだなぁと思い、
今後もこのような活動が根付いてゆくことを願いつつ、美術館を後にしました。
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金谷美術館:ボランティア
ボランティアスタッフさんは、随時募集しているそうです。
詳しくは、美術館に直接お問い合わせくださいね。
文:吉田智子 写真:浅倉真一
*掲載写真の撮影には許可を取っており、普段は館内および展示作品の写真撮影はできませんのでご注意ください。