10月15日(水)の湊地区・市民会館を皮切りに、各地区で市の財政状況と経営改革」に係る住民説明会が開催されています。昨日21日までに全11箇所の内6箇所の説明会が終わりちょうど折り返し地点というところで、富津っ子に寄せられた説明会への参加住民からの声をまとめさせていただきます。
月日 | 時間 | 会場 | 対象地域 |
---|---|---|---|
10月15日(水) | 午後7時 | 市民会館 多目的ホール | 湊地区 |
10月16日(木) | 午後7時 | 竹岡コミュニティセンター | 竹岡地区 |
10月17日(金) | 午後7時 | 金谷コミュニティセンター | 金谷地区 |
10月19日(日) | 午後7時 | 天神山コミュニティセンター | 天神山地区 |
10月20日(月) | 午後7時 | 峰上地区公民館 | 峰上地区 |
10月21日(火) | 午後7時 | 大堀2区集会場 | 青堀地区 |
なお、この記事を執筆している富津っ子管理人自体はまだ説明会に参加できていませんが、湊地区の動画、天神山地区の音声を参加住民の方から提供していただき会場の雰囲気を一応つかんでおります。また各地区の参加者からメールやFacebookを通じていただいたレポートをもとになるべく客観的に分析を試みておりますが、間違いなどありましたらご指摘いただけますと幸いです。管理人自身の感想については当記事の最後にまとめています。
住民説明会の概要
初日の湊地区・市民会館では約500人定員の大きな多目的ホールでの開催で自分の地区の開催を待てない方なども含め200人以上が集まったようです。この回にはNHKのテレビ取材も入っていたようでニュースにも取り上げられました。
財政悪化の富津市 市民が批判 – NHK 首都圏 NEWS WEB
全会場共通で、佐久間清治市長、高橋恭市副市長、企画財政部長、総務部長が説明員として参加しており、それぞれ説明を行いますが、残念ながら市HPおよび広報ふっつで掲載済みの「持続可能な行政運営に向けて経営改革」という1枚の資料を読むだけの対応になっていたようです。
市側からの説明は約30分ほど行われ、残りの時間で住民からの質疑を行う形となっていました。金谷地区の説明回からは前回までの質疑内容や議事録に関する説明などが追加されたようです。
以降、住民からの質疑はかなり広範囲に渡って行われておりますので、残念ながら全てのトピックを網羅することが難しく、富津っ子の判断で重要と思われる質問をピックアップさせていただきました。※公式の議事録は市側から公開される予定ですのでその内容も注意深く確認する必要があります。
人件費の削減について
歳出における人件費の割合が多い件は、市側の問題としても取り上げられ最も関心の高い議題となっています。市側の説明としては、
人件費は、職員数の削減などにより年々減少し、平成25年度の決算額は40億円で、平成11年度のピーク時と比較して15億円減少しています。現在の定員適正化計画では、平成31年度には36億円となる見込みです。
(「持続可能な行政運営に向けて経営改革」より)
今までも、職員数の削減を実施しており6年で4億円の削減計画となっていますが、住民からは「定年退職者が順当に増えるだけではないか」「そもそも他市に比べて職員が多すぎる」など削減計画の甘さが指摘されていました。
これに対し、市の回答は(定年&希望退職で)5年で90名程度の試算、今年度は40名が決まっていると具体的な数字を出すものの満足の行く回答とはいえず、住民からは「市長・議員報酬のカット」「職員数削減」「退職金カット」「区長報酬カット」などもっと積極的な対策を取るように意見がありましたが、市からは「検討します」との返答にとどまりました。
税収の落ち込みについて
歳入の多くを占める市税は、平成24年度から2年連続減収 となり、平成25年度の決算額は86億円(過去27年間で最低) で、平成5年度のピーク時と比較して22億円減少しています。
これは企業などからの固定資産税の減によるもので、今後も この傾向が続き、平成31年度には73億円となる見込みです。
(「持続可能な行政運営に向けて経営改革」より)
税収の落ち込みについて、細かい要因についての説明がありませんでしたが3.11の東日本大震災以降途絶えている東京電力富津火力発電所からの固定資産税の減収が響いているとされています。ただし、3年前から分かっていただろう税収減について何も対策がなされていない事が明らかになっているだけに思えます。
このような状況にすでに市内2ヶ所にある産業廃棄物最終処分場の誘致などが行われるのではないかと質問がありましが、市からはそのような計画はないと名言がありました
歳出・無駄な事業費について
社会保障関係費の増加に加え、災害に備え学校の耐震化や消防防災センターの建設など安全安心のための事業を優先して行ってきました。
(「持続可能な行政運営に向けて経営改革」より)
市からは高齢化や防災に関連する必要な対策を行ってきたため、税収不足を財政調整基金の取り崩しで対応してきたと説明がありましたが、具体的にどの事業の費用が大きかったのかという説明がありませんでした。
住民からは「富津中だけ無駄にドーム化されている」「大堀に全く利用されていない古墳館が建てられた」「豪華すぎる市役所」「豪華すぎる消防防災センター」などの指摘がありましたが、これについては市側からは特に回答がなかったようです。
経営改革会議について
10月31日に第1回目が開催される予定の経営改革会議ですが、前回の記事では市への質問をしたもののまだ正式な承諾を得られていないとのことでお名前は公開いただけませんでした。その後、説明会での回答からこのような方々が選出されているそうです。
・大学教授2名
・会社社長1名
・公認会計士1名
・千葉県OB1名
…計5名
また、経営改革会議委員の任期は2年で、日額12,000円の報酬が支払われるそうです。
www.futtsu-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Gk/Gk1113_1.pdf
委員の選定基準と市民が参加できないかという質問について、市からは「抜本的な改革のためには「しがらみ」のある市民(受益者)では検討しにくいのではないかと考え、今回は、外部有識者として大学教授をはじめとする委員構成としました。」と回答がありました。これについて、「会社社長」という方も富津在住の市民であり矛盾している、公認会計士については現在富津市の会計を担当している関係者なので外部識者としては不適切などの意見がありました。
現時点でまだ委員が公開されていないためこれ以上の追求ができませんが引き続き確認が必要です。また、この会議は傍聴がわずか30名しか許されていないためネット中継やビデオ録画などの必要性を訴えていますが、行政ではなく委員会自体からの承諾が必要なため会議当日に確認を得る必要があるそうです。
富津っ子管理人はこう思う
ここからは、あくまで富津っ子管理人の私見となりますので、ご了承いただいた上でお読みください。
連日連夜、市長はじめ行政の責任者が住民に直接説明する機会を設け、遅い時間まで質問を受けていることは評価したいと思いますが、住民からの感想を読むと質問に対して有効な回答をしておらずむしろ不満・不安が増大する結果になっているようです。回答をごまかさず、具体的な数字などに対する回答はその場で難しければHPや別の会場で回答するなど、確認すれば済む問題については迅速に正確に回答していただくことを要望します。
また、今後の改革方針については具体的な案が全く無い状態と感じています。すでに人口減に歯止めが効かず財政も厳しいなかでの改革では、無駄を省くのは大前提で公共事業などはその効果を検証に検証を重ねて吟味した上で優先度を決定していく必要があります。その判断をしていく上で必要なのが街づくりに対するビジョンだと思いますが、市長からは変わらず「安全安心なまちづくり、安心して子育てができる市」という回答でした。長年この標語を掲げてきた結果、安全・安心な町になりましたか?市民感覚と一致していますか?
「聖域なき抜本的な見直し」の言葉に偽りのない改革を断行していただきたい。
また、そのためにも市民の意見を汲み取る場・仕組みを用意していただきたいです。
§
さまざまなトピックがでているため、かなり大雑把なまとめになってしまっており申し訳ありません。
市側から具体的な数字の提供がなく状況把握が難しい面がありますが、すでに公開されている資料の検証からでもこれまでの無駄の洗い出しはできると思います。富津っ子でもできるかぎり分かりやすく数字の検証を行い、市民のみなさんに共有していきたいと思います(本来市がやるべきですけどね・・・)
住民説明会の後半戦は24日(金)飯野コミュニティセンターから再開です。詳しくは住民説明会の日程をご確認ください。
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